4 Bluetoothの現状と将来

現在,プリンタやキーボードなどのパソコン周辺機器はもちろん,携帯電話や自動販売機,家電製品,自動車など,あらゆる機器にBluetoothを組み込もうとしています. そんな事情もあり,Bluetoothはワイヤレス・ヘッドフォンや携帯端末(PDA)とパソコンの同期などの使い方が,まずは主流になると言われています. Bluetooth対応 PDA を持ち歩けば,オフィスでも街中でもその場所,その店,その人の情報を,見たり,注文したり,交換したり,いろいろな可能性が広がる.携帯電話で人と人とのコミュニケーションが変ったように,Bluetoothでは人と場所,物,人とのコミュニケーションが変わることが予想されます.
人々は少なくとも一つはBluetooth端末を持ち歩かねばなりなせん.すると本命が携帯電話であることは明白です.モバイル機器が成功する条件はいくつかありますが,入出力デバイス,通信,サイズ,電源がとても重要となります.携帯電話には,すでに液晶ディスプレイ,マイクロフォン,スピーカ,ボタンという入出力デバイスがあり,インターネット回線も持っていて,サイズは十分小さく,電源も他のモバイル機器に比べて長持ちします. アジアや欧州では来年にも,Bluetooth対応携帯電話が発売される.日本でも各社が開発を急いでいるようですが,具体的な発売予定はまだ明らかにされていません.
Bluetooth対応の街角コンピュータはアイデア次第で面白いものがいくらでも考えられます.例えば,店先で安売り情報を流しておけば,通りかかった客だけの携帯電話に表示することができます.そうすると,客の側としてはそれではうるさいので,欲しいもの特に安いものだけを選んで受け取るようになるでしょう. 当初はゲームが重要な役割を果たすかもしれません.各自のゲームボーイで自分のモンスターを育て,ゲームセンターに集まって大画面のバトルフィールドで戦う方式はBluetoothに適しています.
また,インターネットにアクセスする道具として,家でもパソコンが利用されるようになり,プリンタやデジタルカメラなどの周辺機器も含めて,最近では「デジタル家電」という言われ方もされるようになりました.これらの接続には,パソコンでおなじみのUSBやi.LINK(IEEE1394)という通信規格と「Bluetooth」が併用される見込み.家庭内を情報が自由にいきかうホームネットワークの実現は,もう,すぐそこです.


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